私はNHSの病院で第一子を無事に出産することができました。妊娠38週から出産までの体験をまとめた記事です。
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妊娠38週 胎動が弱くなる
妊娠38週目、お腹もかなり大きくなってきていつ産気づいてもおかしくない時期に突入しました。
が、それまで痛いぐらいの胎動を感じていたのが、その日はふとあまり動かないことに気が付きました。
数時間様子見していたのですが弱く何度か動く程度だったので、ちょうど数日後に定期検診が入っていたのですが心配になりミッドワイフに電話。ミッドワイフから病院に連絡を取り、「すぐに来てください」とのことで、出産&入院の準備は整っていたので念のため持参し病院に向かいました。
病院に到着すると、全く待たされずに診察ベッドに案内され、お腹の赤ちゃんの心拍のモニタリング開始。約30分のモニタリングデータが出たところでドクターに診てもらいました。
データを見てドクターに言われた言葉は「全く問題なし!」。あぁ、良かった~。
データを見ながら「ここで何度かしゃっくりしてるよ」なんて教えてくれて(赤ちゃんってお腹の中で結構な頻度でしゃっくりするのです!)身体の動きも通常範囲内という診断。
この時期に急に身体が大きく成長するため、スペースがなくなり動きずらくなってしまうとのこと。
ただ、ミッドワイフでの定期検診の時にも度々言われていたことですが「妊娠数週の割にはお腹が小さい」ということで、スキャンを受けることになりました。
翌日にスキャンの予約を入れてこの日は終了です。
自分で見るとかなり大きいお腹なのですが・・・。
スキャンの結果 問題なし
翌日に念のためスキャンで診てもらえることになりました。スキャンではかなり詳しい情報まで得られるようで、お腹の赤ちゃんの推定体重が3000gを超えていること、出産時には3500gを超えるだろうと予想されること、胎児の頭、背骨、足の測定などもしてもらえて、胎盤の位置は上にあり問題なく普通分娩ができるというお墨付きをもらいました。
赤ちゃんのサイズ、普通じゃん・・・。
お腹が小さいのではなく、恐らく普通の日本人は周りのイギリス人の妊婦よりお腹の脂肪が少ないだけと思われます。中身は正常でしたよ。このデータ、今後に役立てて欲しいです。
スキャンを終えて帰ろうとしたとき、病院のペアレントクラスで一緒だったご夫婦に遭遇。そのママさんは予定日が同じ週だったのに、既に産気づいた状態でフラフラになりながら分娩室へ入っていきました。
ドキドキする。。。
予定日10日前におしるしが
ついにおしるしがやってきました。
予定日10日前でした。
しかしおしるしについては、その後どれくらいで陣痛が来るかというのはあまりはっきりしていません。だいたい3日以内に陣痛が始まる人が多いようです。
そろそろか。そろそろだね。
出産前の最後であろう定期検診
おしるしの翌日、ミッドワイフによる定期検診の予約日でした。
心拍も正常で、胎動もある。頭も下にあるし、だいぶ下がってきているとのこと。
「きっとこれが最後の検診だね」と言われて終了でした。
翌日それはやってきました
検診の翌日、特に予定は入っていなかったので近所をお散歩し、小さいお花を買って植木鉢に植え替えをしてました。
とその時、ふと生理痛のような痛みが。
「多分、これ。きっと、これ。」な感じで、急いで夫に連絡。
夕飯をたっぷり食べて、シャワーを浴び、夜は早めに就寝しました。
陣痛から病院到着→受け入れ拒否まで
早朝に陣痛が激しくなって寝てるところじゃなくなってきたので夫をたたき起こしました。
その時の陣痛は10分間隔。痛みのピーク時にはもう動けない状態。
「5分間隔になったら電話」と言われたが待ちきれずに8分間隔で電話。
夫に電話して説明してもらったのにもかかわらず、私を電話口に出せと言われたようで、頑張って質問に返答していると「まだ大丈夫でしょう」と判断される。「5分間隔になるまで頑張って」と言われて電話を切られる。
どれだけ冷静に喋れるかで我慢できなくなるピークを見極めていたようでした。
そして約1時間後、5分間隔になりまた電話。
「初産ならまだあと数時間かかる。待てそうならあと数時間待って」と言われて電話を切られる。
この時かなり自分の中での限界を感じていたので、車で40分かかることを考慮し指示を待たずに病院へ行くことにした。
車の中では破水に備えてシートにビニールをかぶせたりし、必死に陣痛に耐えながら病院に到着。が、しかし「まだ数時間かかるので、5分間隔だけではなく、陣痛のピークが毎回1分以上続くようになったら来て」と帰されてしまいました。
なんという冷たさ。。。もう病院についているのに中に入れてくれない。。。
そうです。本当に返されました。
病院受け入れから出産まで
また40分かけて帰宅する羽目になりました。
が、一時間もたたずに陣痛が1分以上になったので、今度は電話せずに再度病院へ強行突破をはかりました。
目の前の駐車場がいっぱいだったので、私だけ車を下ろされ、一人で2回にある産科へ向かうことに。ゆっくりしか歩けない上に、辿りつくまでに何度も陣痛のウェーブでしゃがみこむ。横を通りすぎるナースたちは「Take your time」と適当な声をかけながらも全く手を貸してくれることもなく通り過ぎてくのでした。(あまりにもこの環境に慣れ過ぎてませんか!?)
車を止めて夫が来てくれてやっと一緒に受付に到着。そこでも「まだ数時間かかりそうだな」と待合室へ通される。
待合室にある簡易ベッドに横になると、数分後に破水。急いで連絡してもらうと、「あらー、もう破水しちゃったか」と破水した状態のまま歩かされて分娩室へ移動。
「廊下が汚れても気にしないで。後で綺麗にするから」と更に気にすることを言われながら移動しました。
最初から分娩室に入れてくれれば、あなたたちの仕事増やさずに済んだのに。
分娩室に入るともう陣痛は耐えられない限界に達してました。無痛分娩希望だった私は、「薬をお願いします!」と何度も嘆願。しかし「まだ早すぎるんだよねー。早く入れると分娩前に効果が切れちゃうから」と言って何もしてくれない。
とりあえず、痛みを少しでも忘れられるようにと笑気ガスを吸う事に。
これ吸っても痛みは変わらないのですがね、ないよりちょっと気がまぎれるかな。
その後、何度も「薬はまだ?もう限界!」と言ってるのに、「初産でしょ?まだ早いよ。まだまだ出てこないよ」と。
それから数十分ほどでもう限界超えて様子が変わってきているのに気付いた助産婦が「あら、もう産まれちゃうね」と。
あ~やっと薬入れてもらえる~・・・と安堵したのもつかの間、「もう薬は遅すぎるわね、すぐに生まれるから」と!!!
その数分後にはもう出てきましたよ。
本当、この助産婦恨みました。
しかもドクターを呼ぶ時間もなく産まれちゃったのです。
切望していた無痛分娩の願いは叶いませんでした。
振り返ると超安産だった
初産だと出産までに時間がかる人も多く、中には難産で陣痛促進剤などを使って丸1日陣痛に耐えながら出産する人もいるようで、それと比べたらものすごくスムーズな超安産だったようです。
おしるし、陣痛、破水、出産までの流れがある意味教科書通りに進み、病院に到着してから2時間後には出産が終了していたのでした。
予定日の7日前の出産。赤ちゃんは3200gでした。
カンガルーケア
イギリスでは、赤ちゃんが出てくるとささっと乾いた布で拭いただけの状態でお母さんの胸の上に置かれます。パジャマ等を着ていた場合は、めくりあげて肌に直接触れるように、心臓の音を聞かせるように少し横向きにして耳を胸に当てるような形で置かれます。
生まれたそのままの状態なので、肌に黄色い脂のようなものがくっついている状態でした。。。
切らないのです。だから裂けるのです。
日本とは違い、切ってくれないため裂けてしまうのが普通らしいです。
私もそれでして、産後まだあまり感覚が戻ってないくらいの時に30分くらいかけて丁寧に縫っていただきました。。。
出産2時間後には「シャワーを浴びろ」と言われます
分娩室にシャワーがついており、産後2時間くらいで「シャワー浴びろ」攻撃が始まりました。
はっきり言って立つのも大変、歩くのも大変、流血状態です。
しかし分娩室にはあまり長居もできません。次の妊婦さんのために早めに普通の病室のベッドうつらないといけないのです。
もうちょっと、もうちょっと、と引き伸ばしながらの3時間後くらいに嫌々シャワーを浴びました。
赤ちゃんはぐるぐる巻き
シャワーを浴びるときに初めて赤ちゃんと離れることになります。
それまで裸のまま抱っこしている状態でしたが、シャワーを浴びて戻ってくるとベビーベッドの中で赤ちゃんが芋虫状態にぐるぐる巻きにされてました。
きゅっと巻かれた方が安心して眠れるそうですが、本当でしょうか。
普通の病室に戻り、体を休めます
横にベビーベッドを置いて、泣いたら母乳をあげるという感じで数時間休憩させてもらいました。
何度も「紅茶いる?」「トースト食べる?」と聞かれたのですが、水以外欲しくなかったので断るのが大変でした。
数時間休んだら普通は退院。私はトランスファーです。
普通の病室なので、8人部屋くらいだったでしょうか。付き添いも椅子が無理やり一個置けるくらいのスペースしかなく、カーテン一枚で仕切られている空間なので全く落ち着きませんでした。
そこでナースが連絡をとり「トランスファー受け入れ可能」と教えてもらい、早速移動することにしました。
ただ、この時はものすごい貧血で歩くことができず、車いすで移動となりました。
トランスファー先での快適入院生活はこちらの記事でどうぞ。
体重の変化
妊娠初期のトラブルにより、12週までに4キロ減ってしまった体重ですが、出産直前に7キロ増になっていたのを確認しました。
ということで、妊娠前の体重からは3キロしか増えてないということになります。
ちょうど出てきた赤ちゃんと同じくらいな感じですね。
妊娠中は体重増加に関しては全くうるさく言われませんので、もし体重が気になる場合は自己管理をきちんとしておかないといけないのかもしれません。
最後に
イギリスNHSでの出産まとめ(初産の場合)
- 限界と思ったところでまだ折り返し地点
- 早く病院に行くと冗談抜きで受け入れ拒否され返される
- 病院に受け入れてもらっても、破水までは放置される
- 無痛分娩を希望しても100%できるとは限らない
- 「切らない」「裂ける」の都市伝説は真実だった
- 自分を解放して良い。叫び、号泣、なんでもOK。誰も気にしない。
- こんな環境でもなんとかなる。自分で産んだという実感がでる。
もし初産の出産を控えてる人にアドバイスができるとしたら、こんなところでしょうか。
お役に立てたらうれしいです。
産院内の様子
イギリス人の陣痛時の取り乱しようは尋常じゃなかったです。ものすごい叫び声、世界の終わりか?というくらいの痛みの訴え方、ナースの対応に対する怒りの表し方はすごかったです。
私のように、耐えながら「もう限界です」と言っても全く信用してくれないワケがわかりました。
陣痛は舞台女優並みに表現して訴えるくらいがちょうどいいのかもしれませんね。
そして無痛分娩の薬を入れるタイミングはなかなか難しいこともわかりました。
薬を入れるのに多少痛みを伴いますし、タイミングを間違えると薬が切れた状態で出産することにもなりかねません。
希望しても絶対にその通りにならないこともあると知っていた方がいいかもしれません。
無痛分娩も無料なので、その場で「やっぱり要らない」ということも可能なようですし、気になる方は一応希望しておくのが良いかなと思います!