イギリスNHS(国営医療サービス)にて出産すると費用は無料。母子ともに問題がない場合は、当日か、または24時間以内に退院するのが通常のようですが、私はなんと母子ともに健康でしたが5日間個室で快適入院生活を送った張本人です。

大都会、ロンドン在住の方たちからはビックリされるかもしれませんが、そのワケをここ紹介します。決してNHSの悪用やコネなどではありません!!笑

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住んでる地域の位置関係

私の住んでいる場所は「ビレッジ」、そう「村」でして、かなり田舎なのですが、カウンシルとしても地方ですので、ロンドンから離れている中でも有名な「マンチェスター」レベルの有名な都市もありません。

私の住んでいるカウンシルの管轄内にも一応NHSの総合病院があるのですが、そこでは出産施設はあるものの何か問題があった場合には救急車で「最寄りの大きな都市の救急病院」へ運ばれることになります。そこは最新の設備とほぼ全ての専門医がいるため、広い範囲での救急に対応している総合病院です。

私が不妊治療で通っていたのはカウンシル管轄内の総合病院なのですが、体外受精(採卵のときと胚移植のとき)だけはその「最寄りの大きな都市の救急病院」に行きました。カウンシル内の病院ではその設備がなかったからです。

カウンシル管轄の総合病院までは車で20分ほど。

最寄りの大きな都市の救急病院までは車で40分ほどになります。

私の家はこの二つの病院の間にあり、距離的には若干カウンシル管轄の病院寄りになります。

救急病院までは距離的にはさほど変わらないものの、交通渋滞と駐車場が離れているという不便さで40分ということになります。

出産場所の選択肢は二つ

出産前にミッドワイフから出産プランを聞かれ、私たちは出産場所の選択肢を与えられました。

車で20分ほどのカウンシル管轄の病院と、車で40分ほどの最寄りの大きな都市の救急病院です。

カウンシル管轄の病院は8室ある全室が個室。家からも近く、駐車場の安い。不妊治療で通っていた病院なので、ナースもいろいろ知っているし、不妊治療のドクターもいるという安心感がある。

しかし、産後に母子になにか問題があった場合は、救急病院へ運ばれることになります。

救急病院では救急だけでなく産科もありますので、そのカウンシルの管轄に住んでいる人は救急病院で出産することになるのですが、管轄外でも多胎児の出産や高齢出産、その他何か問題がある場合の出産はそこで受け入れることになっています。

とても悩んだのですが、私たちは救急病院での出産を選びました。なぜなら、体外受精だということと、高齢出産という2点から、何か問題が起きる可能性が高いんじゃないかと勝手に考えたからです。(ミッドワイフからは体外受精は関係ないと言われましたが)

私の日本人の友人はみな「最寄りの都市」に住んでいるため、みんなその救急病院で出産していて、いろいろ聞けるし安心かもしれないと思ったのも一つの理由です。

そこでミッドワイフから意外な言葉が

設備の整っている救急病院での出産を選び、覚悟を決めていたところでミッドワイフから意外な言葉を聞くことになります。

「じゃあ産後にトランスファー希望にしておいてあげるね」と。

「え?トランスファーって何ですか?」と、ちょっとびっくりしました。

救急病院での出産は、友達からの体験談から、産後数時間~24時間で退院と聞いていたので覚悟して返事をしたのですが、ミッドワイフの話によると「トランスファーしてもらって、そこでゆっくり過ごすといいよ、一週間くらい」と言うのです。

「えー?そんなことができるんですか!?じゃあぜひお願いします!!」

と二つ返事でお願いしておきました。

ただ、部屋が8つしかないので、その当日にそこで出産した人で8室埋まっていたらトランスファーはできない、とのこと。そうですよね、元々そこを選んだ人優先ですね、それは仕方ない。いつ産気づくかわからないのも理解できます。では運に任せましょう。

ということで、無事トランスファーのリクエストができたというワケです。

出産直後にトランスファー依頼

出産体験記はまた別途書くとしまして、出産直後に夫に「トランスファーできるか聞いて!!」とそれだけは忘れずにお願いしました。

そしてナースが電話確認してくれて、「OK!」と。

まだ産後4時間くらいしかたっておらず、貧血でフラフラで歩くことも困難で車いすを借りて病院内を移動。

このまま退院させられてたらと思うとぞっとしながら、地域内病院へ移動したのでした。

移動は自家用車

移動はなんと自分の車です。

もちろん急病の病人ではないので救急車で運んでくれたりなんかしません。

産まれたばかりの赤ちゃんを抱いて夫に車いすを押してもらい、なんとか車に乗り込みました。

真新しい小さなカーシートに、か細い赤ちゃんを乗せてシートベルトを締めるのは本当に胸が痛かったですが、ちょっと緩めに止めて、横に乗って見守りながら移動しました。

カウンシル管轄の病院に到着し、温かく出迎えてもらいました

救急病院を出るときは、誰一人として私たちのことを気にするナースもドクターもいなかったですが、移動して地域内病院に到着すると、不妊治療でお世話になったナースの一人が入口で待っててくれて出迎えてくれました。

ここで初めて緊張感が解け、ほっとして涙が止まらなくなりました。

「田舎って良いね・・」と実感。

早速部屋に移動し、準備してくれていたベッドに横になり、気づいたら夕方の6時を回っていました。(出産から約6時間)

その日は余っている食事を持ってきてくれて、確かコテージパイか何かを食べました。翌日からはリクエストできるそうで、ベッドから操作できるテレビを使って翌日の昼と夜のメニューを選び、赤ちゃんは小さくて透明なベッドに寝かせて9時の就寝まで一緒に過ごしました。

夜はなんと赤ちゃんを預かってくれました

日本レベルのサービスですね。夜は赤ちゃんを預かってくれるのです。

何度か慣れない授乳を手伝ってくれたあと、「さあ、もうゆっくりお休み~」と寝ている赤ちゃんをベッドごと連れていってくれました。

ただし、夜中に泣いてミルクが必要なときは、部屋い赤ちゃんを抱っこして連れてきてくれて、授乳用のソファで授乳するセッティングまでしてくれ(抱き方とかいろいろアドバイスをくれました)「授乳が終わったらボタンで呼んでね」と言って出ていきます。

授乳が終わり、赤ちゃんがまたスヤスヤと寝始めたらボタンを押すと、ナースがまた赤ちゃんをそっと抱っこして連れて行ってくれます。

だいたい夜中に2回ほど授乳に来ました。

身体が疲れてなかなか呼ばれても起きれなかったりしたのですが、優しく起こしてくれて、その度に「こうすると楽よ」と体勢を変えるアドバイスをくれたりしました。

そして朝7時以降、赤ちゃんが起きたときに「グッドモーニング!」といってベッドごとまた連れてきてくれるのでした。

NHSだって食事は悪くない!

朝はトースト、シリアル、ヨーグルト、紅茶かコーヒーを配りに来てくれます。

フロアに一つパントリーがあり、そこにはトースターとケトルと冷蔵庫があり、常にパンとシリアルと紅茶のティーバッグやインスタントコーヒー、冷蔵庫にはヨーグルトも入っています。

もちろんお腹が空いたらいつでも食べていいですし、面会者にお茶を出すのにも利用していいようになっていました。

私は朝食の薄くて小さいパンだけでは足りず、(シリアルは好きじゃないので)いつもここからこっそり追加のトーストをいただいていました笑

昼と夜は前日にリクエストしておいたメニューがきます。

だいたい2択か3択で、一つはベジタリアンメニューでした。昼はパスタやサンドイッチが多く、夜はコテージパイ、カレー、ロースト、フィッシュアンドチップスなどでした。

これは病気での入院患者と同じメニューなのでちょっとびっくりですが、意外と美味しく食べられました。(糖尿病患者用のメニューは別にあります)

入院中にいろいろ教えてもらいました

病院に入院してから丸1日、気づいたら全てナースがオムツ替えをしてくれていて、翌日の夜に初めて「自分でやってみる?」と聞かれました。

布おむつで育てるつもりでいたのですが、入院中は紙おむつの方が楽だろうと思い、紙おむつの新生児用を1パックとお尻拭きを持って行ってたのですが、生まれてすぐは足の付け根の関節がまだ安定しないので脱臼の恐れがあるとかで、しっかりと固定できる布おむつのカバーが用意してありそれを貸してもらっていました。

布おむつのカバーの中に、使い捨てのパッドを入れる感じです。お尻拭きも冷たくてびっくりして泣いてしまうからと、コットンボールと小さなボウルをもらい、ぬるま湯でコットンボールを浸してそれで拭いてあげるというやり方を教えてもらったりしました。

入院2日後にはお風呂の入れ方も教えてもらいました。

お風呂のある部屋に一緒に行き、教えてもらいながら夫と一緒に震える手でお風呂に入れたのを覚えています笑

もしこの期間がなくいきなりポーンと家に帰されてたら、初産の私はとにかくパニックになってたと思います。

部屋は個室のシャワートイレ付

部屋は個室で、ベッドと授乳用のソファが一つ、トイレとシャワーがついているので、誰にも気を遣わずに何時でも好きな時間にシャワーを浴びることができました。

産後数日間はまだまだ出血もあり、縫ったところも痛いしシャワーを浴びるのも一苦労です。

夜に赤ちゃんを預けて一人になった時に、ゆっくりと入れて良かったです。

とにかく無料はありがたい!

こんなに良くしてもらって本当に無料です。

食事代も要りませんでしたし、備品(新生児用のオムツやコットンなどの消耗品)の使用分も請求なしでした。

ナースからは「いつ帰える予定なの?」と聞かれ、夫が休みになる週末にしたいと伝えたら、一言「オッケー」で終了。え?これだけでいいのって感じです。書類に何かサインすることもなく自己申告のみでした。

退院予定日の前の晩に「明日帰ります」と伝え、当日に荷物をまとめて夫とナースとドクターにお礼を言って部屋を後にしました。

無料なので受付に寄る必要もなく、そのまま「バーイ!」みたいで終わりです笑

最後に

イギリスで出産すると当日か24時間以内に全ての人が強制的に退院させられるというのは間違えです。

住んでいる地区によって、私のようにトランスファーをしてもらい産後ゆっくり入院させてもらえる場合もあります

都会の方では難しいのかもしれませんが。もし中規模以下の都市に住んでいる場合は一度相談してみると意外と同じようにできる可能性は十分あります。

もちろん早く退院したい場合は別ですが、もし「引っ越し」や「家が改装中でお風呂やキッチンが使えない」とか、「親や家族が亡くなった」とか何か理由があった場合は、1週間程度なら希望すれば(部屋が空いていれば)トランスファーは可能なはずです。

気になる方は、早めにミッドワイフに相談してみてください!

 

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